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公開日:2018.01.25 [最終更新日]2018.05.11

金属3Dプリンターとは?金属3Dプリンターの比較まとめてみた

 ティーチャー三谷

最近様々な種類の3Dプリンターが世の中に広まってきていますが、その中でも注目を浴びている金属3Dプリンターについてまとめてみました。

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3Dプリンターの材料について

3Dプリンターというと、カラフルな色の付いたプラスチックの出力物や、CMなどでも使われたフルカラー石膏の出力物が思い浮かぶ人が多いかもしれません。
これらの多くは試作品や設計の検討、趣味のものづくりに活用されていますが、みなさんが普段乗っている車や電車、家電などに直接3Dプリント製品が使われていることはまだまだ少ないです。

しかし近年、製造業で特に注目始めている3Dプリンターの材料があります。それが、「金属」です。今回はこの金属について書いてみます。初心者の方にもわかりやすく書きます!

金属製品はどのようにして作られている?

みなさんが普段から触れている金属部品は、主に成形加工、接合加工、切削加工で作られています。このように書くと難しく感じるのですが、成形加工は金属の板を折ったり曲げる板金加工や、溶けた金属を型取りする鋳造などが含まれます。

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接合加工はいわゆる溶接です。複数の部品を組み合わせるときに使用されます。

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そして最後に、切削加工です。切削加工では金属を回転する刃物工具で削り取り、部品を作っていきます。

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これらの金属加工に風穴を空けるのが、実は金属3Dプリンターなのです。

従来の加工方法ではできないこと

金属3Dプリンターでは、今までにできなかった形状を作れることが画期的だと言われています。実は、上記のような従来の加工方法では、制約がありました。

例えばこんな形。これは切削加工で加工するには、回転工具が他の羽に当たらないように回り込みながら加工する必要があるため、非常に高度な技術と数千万円する高価な工作機械が必要です。

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ほかにも、こんな形。外側の穴はなんとかあけられても、中心部を加工することはほぼ不可能と言っていいでしょう。

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金属3Dプリンターの仕組み

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画像出展:http://www.ckb.co.jp/modules/company/index.php?content_id=17

金属3Dプリンターは、材料となる金属粉末とレーザーで動作する仕組みとなっています。まずは金属粉末を薄く(0.02mm~0.05mm程度)敷きます。1層ごとに重ねていくため、この厚みを「積層ピッチ」と呼びます。敷いた粉末にレーザーを照射することによって、必要な部分のみを固めます。その後、土台部分を「積層ピッチ」分だけ降下させ、粉末を敷き、レーザーを照射する、この作業を繰り返し行なっているのです。
一般的な3Dプリンターも同じような原理で動作しており、1層ずつソフトクリームのような要領で作成していきます。

この造形方法により、3Dプリンターの造形には以下のような特徴があります。

メリット

・従来の成形加工や切削加工ではできないような形状を表現できる
・量産の場合と少数生産の場合でコストがほぼ変わらないため、一品物でも手軽に作れる
・試作品を作成するのに短時間で対応できる

デメリット

・従来の成形加工や切削加工に比べ、1つの形状を作るのに造形時間がかかる
・造形時間がかかるため、大量生産には向かない
・材料の金属粉末や3Dプリンター自体が非常に高価
・造形精度が低い

主な金属3Dプリンター

それでは、主な金属3Dプリンターを紹介していきます。

EOS Mシリーズ

ドイツのEOS社が出している金属3Dプリンターです。金属3Dプリンターでは世界シェアNo.1と言われています。

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3D Systems ProXシリーズ

アメリカの3D Systems社が出している金属3Dプリンターです。3D Systems社は、金属以外の様々な材料が造形できる3Dプリンターを販売している企業で、3Dプリンター業界の2強と呼ばれる会社の一つです。

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松浦機械製作所 LUMIXシリーズ

日本の工作機械メーカーの松浦機械製作所が出している金属3Dプリンターです。レーザー焼結と切削加工を同時に行うことで、精度の高い製品を作ることができます。

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金属3Dプリンターの利用が増えていない理由

みなさんの周りにある、例えば車のような工業製品を見てみましょう。ドアパネルやエンジンブロック、タイヤホイールなど様々なところに金属部品が使われています。これらの部品は、上述した成形プレス加工や鋳造によって作られています。従来、工業製品に必要なのは、「コストを下げること」でしたので、プレスや鋳造と言った大量生産に向いた製造方法で作られることがほとんどでした。

金属3Dプリンターは、造形時間がかかることと製造コストがまだ高いことがネックになっており、この大量生産には向かないと言われています。例えば、数cm角のそのため、実際の工業製品に使用されるよりも、工業製品を世に出す前の試作段階や、ほとんど数のいらない少量の部品にのみ使用されていました。

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なぜ今、金属3Dプリンターが注目されているのか

それでは、なぜ今、金属3Dプリンターが注目されているのでしょうか。実はそれは、部品を作る「設計段階」の変化によるものなのです。
機械の構造を設計するのは、設計者です。可動部品や機構部品を組み合わせ、適切な動作を、なるべく強度があり、なるべく軽く、なるべくコストを下げて可能にすることが設計者の腕の見せどころです。

通常、ものづくりの過程で行われる工程は、とても簡単に表すと設計→試作→試験(形状確認、耐久性、振動、強度等)→設計変更→繰り返し→量産という一連の流れとなります。何度か設計を変更しながら最適な形状を求めていくことで、各部品は作られていきます。何度も試作を繰り返すことが重要だったのですが、試作品を作るのは非常に高価で、時間もかかっていました。

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ここに、十数年前からCAE解析が行われるようになりました。CAEでは、パソコン上で強度解析などが行えるため、試作品を多く作らなくてもどこが壊れやすいか、といった事前検証ができるようになりました。
今では、このCAEによる解析と、3Dプリンターによる素早い試作品の作成の組み合わせで、なるべく試作品を減らし、よりよいものづくりができるようになっています。

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そして、ここ数年で盛り上がりを見せているのが、「トポロジー最適化」という技術です。設計データを解析し、肉抜きの軽量化を行ない、再度解析という作業を自動的に繰り返すことで、最も強度があり、かつ軽い形状を導き出してくれます。

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肉抜き作業と強度解析を繰り返すため、形状は角ばった工業製品っぽさはなくなり、人間の骨のようになるのが面白いところです。

実は、軽量化されたこの形状は自動的に作成されるため、従来の金属加工技術では加工が難しく、製造コストが非常に高くなっていました。また、この形状を計算できるCADソフトも数百万円以上するなどなかなか手が出ないのが現状でした。

しかし、金属3Dプリンターの製造コストも、少しずつですが安くなってきています。最近では航空機や宇宙関連を始めとする軽量化が大きく貢献する業界で活用が始まっております。

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同時にCADソフトも低価格化が進んでいます。実際、私たちがお勧めしているFusion 360にも、トポロジー最適化機能が搭載されています。

詳細は以前書いた記事「Autodesk University 2016 レポート トポロジー最適化クラス」を参照してくだし。

まとめ

いかがだったでしょうか?金属3Dプリンターはまだまだ価格は高いですが、最新のソフトウェアと組み合わせることによって今まで以上の真価を発揮することがわかりましたね。
金属3Dプリンターは導入までなかなか・・・という方も、トポロジー最適化から始めてみても良いかもしれません。トポロジー最適化で生成された形状を元に従来の加工方法で製造することもできます。
今後、新しい製造方法が進化することで今までにないデザインや製品が生み出されることは、とてもおもしろいことですね!

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ティーチャー三谷

ティーチャー三谷

多くの企業で3D CAD導入の教育やコンサルティングを行っています。また、Fusion 360セミナーの講師も務めていて、Autodesk社公認のFusion 360の講師です!

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